まず、松原社長が地域活動や社会貢献に目を向けられたきっかけを教えてください。

松原立氏(以下、松原):もともとは太陽光事業に携わっていた際、業界の「当たり前」に違和感を抱いたことが始まりでした。

当時はFITバブルで利益優先の風潮があり、「メンテナンスフリー」が謳われていましたが、私は「メンテナンスありき」でスタートしました。

実際にPV展を回っても、メンテナンスに注力しているのは数社のみ。

20年、30年後に廃棄されるパネルがどうなるか、その国際的なリスクを2022年頃には痛感していました。

「自分がやっていることは、本当に世のためになっているのか?」という自問自答が、地方創生や人口減少といった社会課題、そして地域への貢献へと意識を向かわせる原動力になりました。

具体的な活動の一つである八街市子ども会「ぷれっくす」は、どのような経緯で始まったのでしょうか?

松原:「ぷれっくす」は、プレシャス・エクスペリエンス(貴重な体験)の略です。

コロナ禍で多くの子ども会が活動休止に追い込まれ、子どもたちが「非日常」を楽しむ機会が激減してしまいました。

八街市に戻ってきて感じたのは、自治会に入る人が減り、地域コミュニティが希薄化している現状です。

しかし、大人の都合で活動をなくしてしまうのは、子どもたちにとって圧倒的な機会損失です。「非日常」での経験こそが人を成長させます。

だからこそ、地域の経営者や高校の先生、ボランティア部などと連携し、子どもたちがワクワクできる場を自分たちの手で守ろうと決めました。

八街市での子ども会「ぷれっくす」の活動風景
八街市での子ども会「ぷれっくす」の活動の様子

活動を継続する中で、苦労されたことや大切にしている考え方はありますか?

松原:ボランティア活動において最も重要なのは「継続」です。

形だけの活動や、周囲から「やらされている感」が出てしまうのは一番良くない。

そのため、弊社の理念も4年前に刷新しました。

採用時には必ず「この活動に参加できるか」を確認しています。

「ボランティアをやっている人を馬鹿にする」ような価値観は、うちでは絶対にNG。
会社に入ることをゴールにするのではなく、入社した後に会社や地域にどう貢献するかを考えてほしいと伝えています。

周囲(地域や取引先)からの反応はいかがでしょうか?

松原:正直なところ、周囲の反応が劇的に変わったわけではありません。

まだ「社会的にどうこう」という次元まで浸透していないのが実情です。

ただ、他の経営者から「何やってるの?」と冷ややかに見られることもありますが、私はそれがすごく悔しいし、言うだけで何もしない人にはなりたくない。

地域経営者・高校との連携によるボランティア活動の様子
地域経営者・高校との連携によるボランティア活動

最後に、松原社長が行動し続ける理由を教えてください。

松原:やる前から「無理だ」と決めつけるのは簡単ですが、それでは何も変わりません。

行動すれば、良いことも悪いこともついてきます。

でも、やりもしないうちに否定するのは違います。

「やれたらいいよね」で終わらせず、本質的なところに目を向けて行動し続ける。
それが地域への恩返しであり、企業の責任だと思っています。